スポーツ医学科
スポーツによるけがや障害に対して、迅速な治療とリハビリテーションを行い、できるだけ早く競技復帰できるようサポートします。
例えば、転倒や衝突、急な動作による膝や肩の脱臼、靭帯の炎症や断裂などです。治療は、生活指導、投薬、注射、理学療法から手術まで、さらに再発予防まで包括的に行います。手術が不要な場合は、医師の指示に従ってスポーツ活動を制限したり、負担の少ない運動を行いながら理学療法や筋力トレーニングを通して回復を促します。
一方、手術が必要な場合は、関節鏡視下手術を用いた低侵襲治療が行われます。関節鏡手術では小さな切開から関節内にカメラと器具を挿入し、組織損傷を最小限に抑えます。そのため、大きな切開手術に比べて瘢痕が小さく、痛みが少なく、回復が早いという利点があり、現在の標準的な治療法として広く普及しています。
慢性的な肩・膝の痛みに対する治療
加齢や仕事による慢性的な肩・膝の痛みにも対応します。例えば、肩腱板断裂、肩関節の石灰沈着、変形性膝関節症などです。治療は、投薬・注射・理学療法・手術まで、患者の状態に応じて行われます。
「多職種チームによる治療とリハビリテーション」
関節鏡視下手術 (Arthroscopic Surgery)
小型カメラを関節内に挿入し、映像をモニターで確認しながら専用器具で病変を修復する方法です。切開は0.5cm程度の小さな孔が2〜3か所のみで済み、従来の開放手術に比べて関節拘縮のリスクが低く、回復も早いのが特徴です。
関節鏡手術の利点
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関節内の病変を鮮明に確認できる
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小型かつ高性能な器具を使用し、精密かつ迅速な手術が可能
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手術記録を静止画・動画で保存でき、今後の治療に役立てられる
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小切開のため、痛みが少なく、術後のリハビリがスムーズ
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感染リスクや関節拘縮のリスクが低い
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入院期間が短縮できる
関節鏡手術の適応
膝関節
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前十字靭帯・後十字靭帯損傷 (ACL, PCL)
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半月板損傷 (Meniscus tear)
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軟骨損傷、軟骨移植
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関節内骨折の整復固定
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初期の変形性膝関節症
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関節内異物除去、感染関節炎の洗浄
肩関節
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肩関節不安定症、反復性脱臼
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四十肩・五十肩 (Frozen shoulder)
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腱板断裂 (Rotator cuff lesions)
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石灰沈着性腱板炎 (Calcifying tendinitis)
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関節唇損傷 (Labral lesions)
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関節内骨折、変形性肩関節症
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感染関節炎の洗浄
肘関節
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関節拘縮、重度滑膜炎
足関節
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靭帯損傷による慢性足関節痛
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軟骨損傷・軟骨移植
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感染関節炎の洗浄
診断技術
MRI検査 (Magnetic Resonance Imaging)
磁気共鳴画像診断 (MRI) は、放射線被曝がなく、安全に体内の詳細な断面画像を取得できる検査です。関節や靭帯、軟骨損傷を三次元的に明瞭に評価でき、スポーツ障害や慢性疼痛の原因を正確に診断します。
リハビリテーション
先進的な物理療法機器を用いて、疼痛軽減・炎症抑制・組織修復を促進します。
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高出力レーザー治療 (High Power LASER)
組織修復促進、局所鎮痛、炎症抑制
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磁気治療 (Magnetic Therapy)
即時的な疼痛緩和、血流促進
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TECAR療法 (Tecar Therapy)
急性・慢性炎症への対応、深部組織修復
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体外衝撃波治療 (Radial Shockwave Therapy)
筋骨格系の慢性疼痛改善、血流促進
