尿路結石は、症状がないまま起こることがある病態で、特に結石が腎臓内にとどまり尿路閉塞を起こしていない場合にみられます。そのため、健康診断、超音波検査、またはコンピュータ断層撮影(CT)で偶然に結石が見つかる患者さんも少なくありません。
では、尿路結石の症状にはどのようなものがありますか?
一般に、結石が腎臓から尿管へ移動して尿の流れを妨げるようになると症状がはっきりしてきます。これにより尿路内の圧が上昇し、強い痛みを引き起こすことがあります。
尿路結石でよくみられる症状
結石の症状は、位置・大きさ・移動の有無によって異なります。よくみられる症状は次のとおりです。
- 脇腹(側腹部)や腰部の疝痛(締めつけられるような痛み)
- 下腹部や鼠径部(そけいぶ)への放散痛
- 血尿
- 排尿時痛や頻尿
- 吐き気や嘔吐
- 痛みによる多量の発汗や顔面蒼白
- 感染を伴う場合、発熱や悪寒が出ることがある
1. 脇腹(側腹部)や腰部の疝痛
尿管結石でよくみられる症状は、脇腹(側腹部)や腰部の疝痛で、突然発症し、間欠的に強い痛みとして起こることが多いです。
患者さんによっては、痛みが強くてじっと座ったり横になったりできず、立って歩いたり体勢を頻繁に変え続けたりすることがあります。これは、休むと軽くなりやすい筋肉痛や一般的な腰痛とは異なります。
結石が尿管を下へ移動するにつれて、痛みの部位は結石の位置に応じて変化することがあります。例えば、
- 腎臓や上部尿管の結石では、脇腹や背部の痛みが起こることがある
- 下部尿管の結石では、下腹部、鼠径部、精巣、大陰唇へ痛みが放散することがある
そのため、痛みの場所が変わっても、必ずしも結石が大きくなったことを意味するわけではなく、尿管内で結石が移動していることによる場合があります。
2. 血尿
結石が尿路の粘膜とこすれ合い、尿に血が混じることがあります。
尿がピンク色、赤色、茶色に見えることもあれば、血液量が少なく肉眼では分からず、尿検査でのみ見つかる場合もあります。
尿の色が正常に戻っても、必ずしも結石が体外に排出されたとは限りません。 まだ異常がある場合は、追加評価のために受診してください。
3. 吐き気と嘔吐
結石による強い痛みは自律神経を刺激し、吐き気、嘔吐、多量の発汗、顔面蒼白を伴うことがあります。
これらの症状は痛みと同時に起こることが多く、痛みが軽減したり閉塞の原因が治療されたりすると改善することがあります。
4. 頻尿または排尿時痛
結石が膀胱近くの尿管末端に移動すると、次の症状が出ることがあります。
- 頻尿
- 排尿時痛
- 残尿感や少量ずつの排尿
- 下腹部の不快感
これらは膀胱炎に似ることがあります。感染が認められないのに同様の症状が続く場合、医師は尿管末端の結石を疑って追加検査を検討することがあります。
大きい結石ほど痛みが強いのでしょうか?
必ずしもそうではありません
症状の強さは結石の大きさだけで決まるわけではありません。数ミリ程度の結石でも、尿管へ下りて詰まると激しい痛みを引き起こすことがあります。
一方で、大きな結石でも腎臓内にとどまり閉塞を起こしていない場合、まったく症状がないこともあります。
したがって、医師は痛みの程度だけで重症度を判断できず、結石の位置や大きさに加え、検査室検査や画像検査の結果をあわせて評価する必要があります。
尿路結石は無症状のことがありますか?
あります
結石の種類によっては、特に腎臓内にとどまり尿の流れを妨げていない場合、症状が出ないことがあります。そのため、健康診断や別の理由で行った画像検査で初めて結石が見つかることもあります。
よって、「症状がない」ことをもって結石がない、あるいは尿路系に異常がないと結論づけるべきではありません。
どのようなときに早急に受診すべきですか?
尿路結石が疑われる場合は医師の評価を受けてください。特に次の症状があるときは重要です。
- 脇腹(側腹部)や腰部の強い痛みで、鎮痛薬でも軽減しない
- 痛みに加えて発熱や悪寒がある
- 吐き気や嘔吐が強く、食事や水分が摂れない
- 尿量が著しく少ない、または尿が出ない
- 尿に大量の血が混じる、または血の塊が出る
- 片腎(腎臓が1つ)しかない人に痛みがある
- 慢性腎臓病があり、尿路系の異常症状が出た
痛みに発熱や悪寒を伴う場合、特に尿路閉塞があるケースでは、緊急治療を要する感染のサインである可能性があります。
尿路結石の症状まとめ
尿路結石は無症状のことがあります。結石が腎臓内にとどまり閉塞を起こしていない場合がそれに当たります。しかし、結石が尿管へ移動すると、脇腹(側腹部)や腰部の疝痛、下腹部や鼠径部への放散痛、血尿、吐き気、嘔吐、頻尿などが起こることがあります。
症状の強さは結石の大きさだけで決まりません。強い痛み、尿が出ない、または痛みに発熱・悪寒を伴う場合は、適切な診断と治療のために速やかに受診してください。
次回の記事: 尿検査、超音波検査からコンピュータ断層撮影(CT)まで、尿路結石の診断方法と、なぜ各検査が患者さんのグループごとに適しているのかを解説します






