PM 2.5 の粉塵は血流に入り込み、免疫力を低下させ、酸素の臓器への運搬を悪化させ、心臓病を増加させます。例えば、急性心筋虚血や不整脈です。
粉塵が血流に入り込むと、慢性感染を引き起こす物質の生成プロセスが発生します。これらの物質は脳に侵入する可能性があります。
さらに、PM 2.5 の粉塵は鼻腔上の嗅覚神経を介して直接脳に入り込み、脳内の炎症を引き起こし、様々な脳疾患をもたらし、麻痺や死亡に至ることさえあります。症状の重症度は、受けた粉塵の量と接触した時間に依存します。
子供の脳では、IQの低下、発達の遅れ、注意欠陥多動性障害(ADHD)の発生率が約70%増加します。
大人の脳においては、様々な脳への影響や脳疾患が増加することが確認されています。例えば:
- PM 2.5 が多く含まれる地域に住む人の白質(white matter-神経繊維で構成されている)の量は、PM 2.5 が低い地域に住む人のそれと比べて少ないです。
(MRI(磁気共鳴画像法)を用いて1,403人の女性の脳を測定した研究では、前頭葉(frontal lobe)、側頭葉(temporal lobe)、および大脳縦裂(corpus callosum、左右の脳をつなぐ神経繊維群)の白質の減少が確認されました。) - アルツハイマー性認知症の発生率が3倍に増加します。
- 脳卒中(血管の詰まりや出血)の発生率は約15%増加し、PM 2.5 濃度が10 μg/m3 増加するごとに脳卒中のリスクが約13%増加します。
- パーキンソン病のリスクは約30%増加します。
- 片頭痛を患う人は、痛みが悪化する可能性があります。
脳と神経系センター
Bangkok Chiang Mai Hospital(バンコク チェンマイ病院)
参考文献
The association between PM2.5 exposure and neurological disorders: A systematic review and meta-analysis. Sci Total Environ
Air pollution and your brain: What do you need to know right now. Primary Health Care Research & Development


