心臓病に関する誤った信念

信念: 若い人、痩せている人、血中脂肪のレベルが正常な人は心臓病になる可能性がない
真実: 若い人や血中脂肪が正常である人は、病気になる可能性が少ないですが、必ずしも起こらないとは限りません。心臓病は遺伝的要因など、様々な原因で発生します。また、若い人やアスリートの間で、肥大性心筋症（Hypertrophic Cardiomyopathy）による急性心不全が見られることがあります。
 
信念: 心臓病の人は運動をしてはいけない
真実: 運動は心筋を強化し、脳や内臓への血流を増やし、全体の健康を向上させます。ただし、個別に担当医の指導を受けることが重要です。
 
信念: 脂肪低下薬を服用していれば、何でも食べてよい
真実: 血中脂肪は肝臓で作られ、食事からも供給されます。脂肪低下薬は肝臓での脂肪生成を抑えるのに役立ちますが、食事から摂取する脂肪を減少させるわけではありません。脂肪分の多い食事は、血中脂肪レベルを上昇させます。
 
信念: 糖尿病を患っており、糖尿病治療薬を摂取していれば、心血管疾患のリスクはない
真実: 血糖値のコントロールは、心臓病の進行を遅らせるのに役立ちますが、心臓病や脳卒中（stroke）のリスクは依然として存在します。血糖値が高い場合、細胞の機能が異常となり、血管壁を傷つけ、炎症を引き起こし、血管がもろくなります。
 
信念: 中年まで血中脂肪を検査する必要はない
真実: 若い頃から血中脂肪を検査することは、心臓病のリスクを防ぐのに役立ちます。特に、家族に心臓病の既往歴がある場合は、重要です。アメリカ心臓協会は、20歳を超えたら5年ごとに血中脂肪の検査を推奨しています。
 
信念: 高血圧は高齢者にとって普通のこと
真実: 高齢者の血圧は通常より高くなる傾向がありますが、血管の硬化のためです。高血圧は血液を体に送り出すために心臓に負担をかけ、心筋の負担が増加すると、心筋梗塞や脳卒中（Stroke）のリスクが上がります。そのため、血圧は140/90mmHgを超えないように管理することが重要です。
 
信念: 女性は女性ホルモンのおかげで心臓病にならない
真実: 心臓病は男性にも女性にも起こりえます。65歳以上の女性で心臓病の罹患率が増加しています。
 
信念: 家族に心臓病の既往歴がある場合、自分もなる運命なので防げない
真実: 家族に心臓病の既往歴がある人はリスクが高いですが、適切なリスク管理でリスクを減らすことができます。すなわち、定期的な運動、脂肪・血圧・血糖値の管理、体重管理、禁煙です。
 
信念: 心臓病を患っている場合、全ての脂肪を避けるべき
真実: 避けるべき脂肪は飽和脂肪、トランス脂肪、そして水素添加された脂肪です。スナック菓子、ペイストリー、クッキー、動物性脂肪は避けるべきです。しかし、健康に良い脂肪は摂取可能です。つまり、植物由来の不飽和脂肪、脂の多い魚（例：サーモン）、ナッツ類、オリーブオイルなどで、これにはオメガ3が含まれています。
 
信念: 心筋梗塞（Heart Attack）は必ず胸痛から始まる
真実: 多くの人にとって、最初に胸の痛みを感じますが、心筋梗塞は他の症状も示すことがあります。具体的には、息切れ、呼吸困難、吐き気、頭痛、または腕、顎、首、背中の不快感です。心臓病を持つ人は、疑いがある場合は直ちに病院に行くか、救急車を呼ぶべきです。